Dîner Ennuyeux

aesthetics, philosophy of art, criticism

【ネタバレ感想】『大室家 dear sisters』を観ました

記念すべき初エントリー。

タイトルの通り、『大室家 dear sisters』を劇場で観てきました。

ohmuroke.com

 

原作は読んだことがないです。

アニメ版のゆるゆりだけ、ずっと昔に観たことがあります。

以下、がっつりネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

面白かったです。

最後の場面が感動的でした。

上述の通り、原作を読んだことがないので自分が「正しい評価」をする立場にあるとは思っていません。作品評価(批評)一般に関する諸問題は別のエントリーで改めて検討します。

最後の場面を感動的なものにしている要素に1つ気がついたので、それをメモしておきます。

劇中では三姉妹のほのぼのとした日常が描かれ、ところどころで感動的なムードに1瞬だけなるのですが、だいたいそのあとに櫻子がふざけるのでコメディとして回収され続けます。

(例えば、風邪をひいた花子がお粥を作ってくれた櫻子にお礼を言うシーン)

 

これが最後の場面とのコントラストを作り出しています。

最後の場面では、大室三姉妹がハグしあっているところを向日葵に目撃されてしまいます。撫子と花子はそれに気づき驚くのですが、櫻子は動揺することなく笑顔でハグを続けるのです。

劇のそれまでの流れからして、最後の場面でも櫻子がふざけて、お話がコメディとして回収される、との予測が自然に成立するのですが、最後の場面ではこれが裏切られます。

このコントラストによって、櫻子のまっすぐな姉妹愛が感動的に演出されていると思います。

 

撫子や花子が姉妹のことを気にかけている様子は正面から描かれていて、これはこれで良さがあるのですが、これとは違った仕方で櫻子の姉妹愛が描かれていて、これがこの作品がもたらす独特の満足感に貢献していると思いました。

 

 

原作も読んでみようかな。